「赤ちゃんはお腹にいるとき、お母さんから免疫をもらっているから風邪をひかない」
「母乳で育てると風邪をひかない」
とか、聞くことはありませんか?
今日はそれが本当なのかどうか、お話ししていきたいと思います。
わたしたちの体は、様々な免疫物質によって病気から守られていますよね。
赤ちゃんは、病原体のいないお腹のなかから、菌やウイルスがたくさんいる世の中に出てこなければいけません。
ですから、お腹のなかにいるうちに、お母さんから「免疫グロブリンG」という免疫物質をもらいます。
「免疫グロブリンG」は、細菌やウイルスから赤ちゃんを守る働きをしてくれます。
産まれたときの「免疫グロブリンG」の濃度はお母さんと同じくらい濃いのですが、生まれたときをピークに徐々に減っていきます。
生後2~4ヵ月ころには大人の半分~1/3くらいまで減ってしまいます。
そして、赤ちゃんは4ヵ月くらいから、自前の免疫をつけていけるようになります。
でもまだまだ未熟ですから、赤ちゃんは病気に対する抵抗力は弱いのです。
成熟した大人でも、疲れなどで抵抗力が弱まると、風邪をひいたりしますよね。
ですから、たとえ免疫をもらっていても
「全ての感染症を防げるわけではない」
「赤ちゃんは病気に対する抵抗力は弱い」
と思っていてください。
そんな抵抗力の低い赤ちゃんの助けになるのが母乳です。
初乳のなかに多く含まれる「免疫グロブリンA」などの免疫物質が、細菌やウイルスの侵入を防いだり、戦ってくれます。
また、お母さんの周りに、風邪ウイルスのような病原体がいるとき、お母さんの母乳には、その病原体から赤ちゃんを守るための「抗体」が含まれて出てくるのです。
まだ未熟な赤ちゃんですから、お腹のなかでもらった免疫や母乳育児は、完ぺきに風邪や感染症を防ぐ、というわけではないかもしれません。
ですが、母乳をあげることで
・感染症にかかりにくくなったり
・重症にならないようにしたり
・早く治りやすくなる
という効果はあるのです。
また、例え母乳をあげられないとしても、
肌と肌で触れ合うことは、お母さんの常在菌を赤ちゃんに与え、悪い菌が定着することを防ぐことができます。
ぜひたくさん赤ちゃんを抱きしめてください。
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