金田 千依

2020年10月1日

母乳ってどうやって作られるの? ④産後9日以降

最終更新: 2021年7月24日

引き続き、「母乳の作られ方」産後編です。


 

今日は、産後9日頃以降の変化についてお話ししていきます。


 

おっぱい工場の生産ラインが軌道に乗ってくると、工場は、赤ちゃんが欲しがるときに、欲しがる分の母乳を作れるようになります。


 

赤ちゃんが母乳を飲めば飲むほど(またはおっぱいを搾って母乳を出すほど)、作られる母乳の量は増えていきます。

この頃になると、おっぱいが張らなくなってくることも多いです。


 

「張り」を感じなくても、母乳はちゃんと作られていますから心配しないでくださいね。


 

反対に、赤ちゃんが母乳を飲む頻度が減ったり、おっぱいに母乳が溜まったままにしておくと、

工場内に在庫がたまるため、母乳作りに抑制がかかります。

おっぱい工場は、在庫をかかえません。


 

ですので、赤ちゃんからの注文がなく、母乳を出荷することがなくなると、工場は生産を減らしていき、やがて閉鎖します。


 

ここまでが、おっぱい工場誕生から閉鎖までの流れです。


 

母乳育児を軌道にのせるためには、


 

・産後できるだけ早くから、赤ちゃんと触れあい、おっぱいを吸わせる

・赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけ、頻繁におっぱいを吸わせる

・母乳をなるべくためない


 

この3つが大切なポイントでしたね。


 

母乳育児が軌道にのるまでは、誰もが不安になるものです。


 

出産後すぐに育児がスタートして、戸惑いや疲れ、不安も多いことと思います。


 

「お母さんがいかに頑張るか」=「母乳育児」ではありません。


 


 

家族や、産院のスタッフ、自治体などの周囲の力を存分に借りて、

「自分に優しい母乳育児」をしていきましょう。


 

参考書籍

本郷寛子・新井基子・五十嵐祐子

『お母さんも支援者も自信がつく 母乳育児支援コミュニケーション術』

南山堂,2015

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